コラム COLUMN
【 工務店さん不動産会社さんとともに住宅業界を盛り上げる 】その527
2021.11.7
既存住宅の流通促進を阻害しているもの★その1
世界に比較すると日本では、戸建て既存住宅の流通は発展途上の状態です。
欧米では、新築よりも既存住宅に住むという文化があり、
既存住宅の流通も新築以上に活発に行われています。
こんな中、日本ではまだまだ新築信仰が強く、既存住宅の流通は少なく、
業界の慣例から、築20年になると建物評価がゼロになってしまいます。
このシリーズでは、既存住宅がなぜ、流通しないのかを考えていきたいと思います。
大きなところでいうと、街並み形成があげられます。
欧米では、建物の色味や使用する材料などに統一感を持たせ、
町全体を美しく表現していることが大きなポイントだと思います。
建物の色調や素材感を統一させることを行っていますが、
日本でいうと、京都の景観条例や地区条例などがそれに近いかもしれません。
しかしながら、日本ではこれらの規制を前向きに受け入れることよりも、
邪魔者扱いする傾向が強いと感じています。
道路後退や隣地境界線からのセットバックなど、
建物の位置を制限することで、統一感と開放感も演出できるのですが、
これらもまた、邪魔者扱いされることになっています。
街全体での統一感の欠如が、建物評価の低減につながっているような気もしています。
このあたり、欧米と日本での大きな文化の違いが影響しているかもしれません。